トレッキング

森の中で

トレッキング
北八ヶ岳の森をさまよっていると、男の子を連れた一人の女性登山者に出会った。
○子‼️ 思わず声をかけそうになった。そこには、大学時代に付き合っていた、あの時のあの人がいた。あの時のままの、あの時の眼差し、心が激しく動いた。
心を静めるように、遠い樹林に眼をむけていると、やがて、自分ながら笑ってしまった。別れてから、はや40年近くなる。もう、お互いに分からない位に変わっているに違いないのに、困ったものだ。40年前、二人でこの森を歩いた。白駒池を取り巻く深い森は、あの時と変わらない。道はどこまでも森の奥に続き、見上げた空は青いままだ。私だけが長い時間をどこかで過ごしてきてしまった。そして、この心の安息はどこかにあるのだろうか。休憩していた親子は、やがて立ち上がると、私たちが歩んできた道を逆にたどり始めた。私たちも、ザックを担ぐと、やがて歩き始める。樹林の向こうに續く新しい道を

 

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