これは映画のタイトルではありません。八ヶ岳の山荘はもともと私好みに一日を過ごせるようにと、自分の好きな絵がそこかしこにあって、大好きな交響楽や弦楽奏の音色が建物の梁や柱を震わせ、引きたてのコーヒーの匂いがほのかにただよう。そんな空間を作ろうとしていた。
しかし、いよいよバカたちがやってくる。きっと私の築き上げた山荘ライフは崩れ去り、バカたちの極彩色の日々に彩られるにちがいないと予感させていた。
バカたちとは、大学の山のサークルの仲間たち、もう、卒業して40年近くなる。大学時代は正真正銘のバカたちだった。山にはあんなに純情で、真摯に向き合っていたのに、下界では、きっと迷惑という言葉を知らないのだろうと思えるような行動をとった。飲み屋の出入り禁止は数知れず、あまりにも悪名がとどろくので、他校のサークルと偽って予約しても、その予約の段階で、雰囲気でばれてしまい、ことごとく断れてしまう。
山にはポリタンクに入れて、それこそ売れるほど酒を担ぎ上げ、山のテントサイトでは、いつも大騒ぎ、山小屋に怒られるのはいつものこと、まわりのテント客総出で囲まれ、怒られたこともあった。
OBたちの差し入れは、いつも新宿の果物店に置いてある椰子の実、よくてスイカ、山では絶対にごみを残してはいけないので(こういうところは不思議と律儀だった)、こういったものは後が大変。特に椰子の実は岩に打ち付けても割れないので、そのまま持ち帰るはめになる。なんとも間抜けなことが、平然と行われていた。食料は軽量化の観点は全くなく、テントは軽量のドームテント全盛の時代にキャンパス地の重たい家形テントで、雨が降ればテントの中に川ができた。
先輩たちは山の天気は気合いだという。なんか応援団の乗りである。が、彼らは本当に信じていたようで、山頂に着いて、ガスに包まれていると「天気乞い」というのをやらされた。
山の頂には、神様がいらっしゃって、その神様が山の天気を支配している。そこで、捧げものをして、雲を払ってもらうのだ。
登山者がたくさんいる中で、その捧げものを大声で告げる。
実はそれは、意中の人の名を捧げるという恥ずかしいもので、ガスがとれないと、うそをついていると責められた。
こんなことを4年もやってきたバカどもが本当にやってくる。山荘はさあ大変、ということで、今日はここまで、
バカどもが3日間どう過ごしたかのお話は、次回ね、さあ何が起きたでしょうか
バカたちがやってきた①

コメント
瀧川さんを含め、はちゃめちゃな事もやってきた大学時代の友は、お金では買えない、大切な宝物ですね。
頑張って手に入れた自分好みの山荘に、かけがえない友を招き、自ら、蕎麦を打つ。
最高のおもてなしですね!
今までも、そしてこれからも、ずっとずっと繋がっていく素晴らしい仲間がいてくれる瀧川さんは、幸せですね
まあ、でも、若くはないのだから、皆さん、飲み過ぎには注意ですね