旅行

ひとすじの道①

旅行

ある日、ベットの中で目をさました、いつもと同じ朝

コーヒーを飲みながら読んだ朝刊には、どこかのおじさんが歩き続けて、やがて日本一周をしたという記事が載っていた。明るい日差しの中で、はにかんでいる初老のおじさん。おじさんは、本当は、どこにいきたかったんだろう。そして、僕だったら どこに行くだろうか

顔を洗って、ひげをあたって、いつものジャケットを着て、家を出た。青い空、ひんやりとした風、街にでも行こうか。そう思って、歩きはじめると、日本海に行きたい。唐突にそう思った。

北に行きたい。このまま、歩いて、日本海を見たい。太平洋のような光輝く海ではなく、暗い雲の下で逆巻く灰色の海に、この心を置いてみたい。

唐突にもそう思ったのは、妻が亡くなって1年が過ぎ、何かが変わり始めていたのかもしれない。日本海まで歩いていくということが、どういうことなのか。まあ、そんなことはいい、今は、心のままに

旅立ち
北へ行こう
なじみのザックと
履きなれた靴と
古びたコッヘルと
北に待ってる
あの街に行こう

コメント

  1. ふろーれす より:

    癒されるなあ、、
    あたたかいなあ、、